Week8 @PHI 雑感 ノーラン スミッティ編

 現在メンタイ君はESPNアナリストによるハイズマン投票で2位、こりゃトップ5までアップしないと獲れないですかね。


DCマイク・ノーラン
 この試合は完全にオフェンスが流れを作ってくれた試合で、ディフェンスはその流れに乗っかっただけ、とも言えます。期待されたターンオーバーもなかったですし。が、それでもヴィックのやらかし無しのPHI相手に17失点(うち7点は趨勢決した後なので実質10失点と見てもいい)というのは十分すぎるほど評価に値します。
 展望編でDLがPHIのパッチワークOLを圧倒することを期待してましたが、これはそこまでうまく行かず。ブリッツを入れればプレッシャーは与えられるんですが、そうするとクイックパスやランに対応しきれず、結果として短いプレイを止め切れずロングドライブでの失点を許しており、ライブ観戦中はやきもきしていたんですが、改めて見返すとこれはまんまとノーランの術中にはめたんじゃないかという気がしてきました。
 ノーランがブリッツとフィールド後方に重点を置き、中間にスペースを作ったことでPHIオフェンスは長いのはリスクが高く投げずらく、でも短いプレイなら割とあっさり決まるという状況になりました。しかし、ファルコンズオフェンスの連続TDの時点でPHI側としてはシュートアウトに持ち込む以外勝機はなかったはずなんです。にもかかわらず、短いプレイばかりを選択したPHIはドライブのたびに貴重な時間を大きく費やし、気づいた時には逆転不可能な状況に陥っていました。つまりすべてシャットダウンするのではなく、あえて楽な道を提供してやることで、オフェンスは進むのに事態は悪化する、というのがノーランの用意した罠だったんじゃないでしょうか。誰だって楽な方へ進みたがるという人間心理を利用したわけです。なんという深遠な目論見、危うく見過ごすところでした。
 まあ結果論とか妄想乙と言われればそれまでですけど、実際PHIの20ヤード以上のプレイをデショーン・ジャクソンのRACによる32ヤードゲイン1つだけ、レショーン・マッコイも16キャリーでわずか45ヤード(平均2.8ヤード)に抑えたというのは紛れもない事実ですし、こういう妄想をするのが楽しくてNFLを見ているんで勘弁してやってくださいませ。

 ちなみにこの試合では前の試合のようなタックルミスは目立たず。特にOAK戦でミスタックルを連発したデクーは、この試合1サックを含む8タックル(うち3つはアシスト)でタックルリーダーになりました。これをOAK戦からの修正と見る向きも多いですけど、私はそうは思いません。やってることはOAK戦と一緒で失敗を恐れずにアグレッシブに行くということで、前回はたまたま悪い結果となり、今回はたまたま良い結果となった、ただそれだけだと思います。
 いずれにせよノーランは選手達の自主性を最大限尊重し、選手達もそれに応えようと全力を尽くしている、これがBVG時代との最大の違いだと思います。


HCマイク・スミス
 しつこいですけど、この50勝目の勝利でダン・リーヴスを超えチーム史上最多勝利HCに。ちなみに71試合目で50勝というのはジョージ・サイファート,チャック・ノックスに次ぐ史上3番目の早さだそうです。なんという名将。
 さて、スミッティのファルコンズにおける功績をここで語ってもいいんですけど、あえて今回は一部で批判が上がっている彼のゲームマネージメントについて私見を述べたいと思います。
 批判の対象となっているのは試合終盤、点差がつきほぼ大勢が決したかどうかという辺りで、無理に得点を狙いに行かない姿勢です。DEN戦などもこうしたコンサバティブなプレイの結果、最終盤でヒヤリとさせられたわけで、批判者たちはこれを持ってスミッティに無能のレッテルを貼っているわけです(まあ流石に”fire”とか言っている方々はどう考えてもライバルチームのファンかただのアンチでしょうけど)。
 非常に分かりやすい比較対象はNOのショーン・ペイトンで、彼は完全に勝負が決した試合でも最後の最後まで手を緩めず、完膚なきまでに相手を叩きのめすという方針を採っています。昨シーズンのプレイオフDET戦やレギュラーシーズンIND戦の惨劇は記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
 
 この二つの対極的な姿勢、後者を好む人が多いのも理解は出来ます。点差は大きいに越したことはないですし、万一大逆転なんてされたらシャレにならないですから。スコアやスタッツの見栄えもいいですしね。
 ですが、スミッティのコンサバ思想も利がないわけではありません。リードしている側がランで確実に時間を進めるというのは、批判者が想像している以上に効果的であり、相手としては嫌なものですから。実際問題として、ファルコンズがこうした余裕の展開からハラハラする場面になることはあっても、逆転されたケースは私の記憶には有りません。少なくとも一回でもコンサバ思想が裏目に出るまでは批判されるいわれはないと思っています。
 どちらにも利が有る以上、どちらを選択するかは思想や美意識の問題で、むしろこれがヘタにぶれて慣れないことをする方が問題だと思います。で、私はスミッティがぶれない限り、そしてファルコンズに勝利をもたらしてくれる限りは彼を全面的に支持していくつもりです。

(ちなみに私は戦術家としてのショーン・ペイトンは尊敬してますが、彼のこういう姿勢は決して好きではありません。別に個人的にNOが嫌いだからとかいう理由ではなく、これはあくまで美意識の問題。あと、徹底的に叩きのめすことの利(大逆転の起こりやすいアメフトでは出来る限り点差を付けた方が良いに決まってますし、また相手の心を折る戦い方は再戦時に相手を萎縮させる効果も期待できる)も認めた上で、相手に遺恨を残すという害もゼロとはいえませんからね)


最後に選手たちについても簡単に

LTサム・ベイカー
 どこのプロボウラーかと。完全に08年序盤に一瞬だけ見せた輝きを取り戻しました。我が心のカムバックプレイヤーオブジイヤー。

CBロバート・マクレイン
 まさかロフトンというタックルマシーンの後継者がこんな所にいようとは。デントは彼に弟子入りしたらいいと思います。

RBジェイソン・スネリング
 ようやくコエッターさんも彼の便利屋っぷりを理解してきた模様。いいぞ、もっとやれ。

LBアキーム・デント
 安定の1タックル、ただしプレイ自体は向上してるように見えないこともない。

WRフリオ・ジョーンズ
 とりあえずスピードも含めたフィジカル面ではどんなCBにも負けないことを示しました。あと必要なのは安定感とクラッチ力。

DEクロイ・ビーアマン
 もっと評価されるべき。ってジョン・リンチさんが言ってました。

RGピーター・カーンズ
 流石ドラ1候補様。パワーで圧倒するタイプではなく、うまく相手の力を逃がすテクニシャンタイプ。マクルーアとは普段から親子のような関係らしいですが、プレイでも親子の絆で良い連携を披露。今年唯一の不満だったルーキーの活躍不足を一気に解消してくれて満足満足。

CBクリストファー・オーフェンス
 目に付いたのは数回だけですが、素晴らしいパスディフレクトやタックルを披露。今ノーランはDB陣の起用法に関してかなり試行錯誤してる模様で、今後出番も増えるかもしれません。

DTコーリー・ピーターズ
 慣らし運転中

PRドミニク・フランクス
 やる気ないならお兄ちゃんを出せ、お兄ちゃんを。

QBマット・ライアン
 時間を進めるためにわざとサックを食らったプレイに感動。ゴンザレスについて語るときよく言ってますが、今自分が何をすべきかを理解するというのは、真のプロフェッショナルに最も必要な能力だと思います。

WRドリュー・デイヴィス
 彼のカレッジ時代の雄姿を見るために、2年前のナショナルチャンピオンシップ(ニュートンが全米王者になった試合)を視聴。なるほど、オレゴン大の超アップテンポオフェンスはライアンのノーハドルに通じるところが有りますね。

Kマット・ブライアント
 このお方がプロボウルに選ばれないようなら、プロボウルなんてただの人気投票。

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この記事へのコメント:

- : 2012/11/02 (金) 09:36:36

あれかきこめない。テストテストtest。

redgun : 2012/11/02 (金) 09:37:20

あいかわらず的確にうまいことまとめてくださる。ホントに感嘆ですよ。
HC論でふと思ったのがそういえばプリベントD#って廃れたなってことです。点差あっても守備だけはガチンコでいかないといつでもやられるタイムコントロールの発展、けれどそうしないでいいような点差にするためO#でガチンコいくと敵作るという。裏返しでDで対戦相手を攻撃しろやっていう好みの部分なんでしょうね、その辺の感覚が好きだからフットボールが楽しいと思えるとこかなと再認識。

ほとら : 2012/11/03 (土) 16:57:31

 や、そんなおだてたって何も出ませんよw
 プリベントについては言われてみればなるほど、といった感じです。確かにディフェンスは多少引き気味にはなっても最後までハードにプレイしている印象ですね。スミッティがディフェンス畑の人というのも影響しているんでしょうね。
 他のスポーツと比べ指揮官の個性が目に見えて分かるというのはフットボールの大きな魅力ですよね。そして最適解が存在しないというのも。マーティ・ショッテンハイマーやマイク・マーツのように正反対の思想が同時代に存在して、それぞれに実績を上げ歴史に名を残している。こういう多様性があるから指揮官にスポットライトが当るし、コーチ選びに一喜一憂したりする、なかなか他のスポーツではないことですよね。

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