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ディビジョナルプレイオフ SEA戦 雑感 -猿を下ろした日-

 ESPNのメル・カイパーの最新モックによるとファルコンズの1巡はSMUのDEマーガス・ハントだそうです。ハントと言えば野犬留置場さんのこちらの記事。実際ハントを獲るかどうかは別として、今年はディオン・ジョーダン(オレゴン)とかエゼキエル・アンサ(BYU)とかデイトン・ジョーンズ(UCLA)といった実績や経験が少ないポテンシャル重視のフィジカルフリークタイプのDEも多いので誰がJPPになるのかは気になるところです。できればこういうハイリスクなのは2巡以降で当たりを引きたいのが本音ですが。


 さて4晩も経ちやや熱も冷めたところでSEA戦について振り返り。といってもこの試合は書きたいことが多すぎて全部詰め込んだら死ぬほど長くなるのは目に見えています。ので、思い切って書きたいことの8割くらいをばっさりカットする方向で。


ストップザビースト
 展望編でどうせラン,パス,QBキープというオプションの選択肢(ん?)全部を止められないならどれか一つを止めることに集中した方がいいんじゃないかと愚考しましたが、ファルコンズはずばりディフェンスの焦点をリンチ一点に絞ってきました。試合後の会見でもスミッティが「とにかくこの試合の最重要ポイントはリンチを止めることだった」と。
 で、結果16キャリー46ヤード(平均2.9ヤード)とほぼミッションコンプリート。リンチが万全でなかったのも少なからず影響してるでしょうが、この数字は理想を大きく上回る数字。勝利の要因は数々あれど、一番大きかったのはここだったと思います。試合序盤、特にファーストダウンでリンチを完封できたことでSEAのオフェンス本来の形を崩すことに成功しました。
 しかし一方でこのファーストプライオリティを徹底しすぎたせいで2Qあたりでもうウィルソン中心のオフェンスへとアジャストされてしまい、前半こそSEAドライブのミスもあって辛うじて失点を防ぎましたが、後半に入るとウィルソンに投げられ放題、走られ放題、逃げられ放題に。結局最後までディフェンスはウィルソンを抑えることができませんでした。
 ただそれでもSEAのゲームプランを崩し、アジャストが間に合うまでに貴重な20点のリードを奪うことができたのは事実ですし、オプション対策というかSEA対策としてリンチを抑えることだけに全力を注いで準備してきたのは間違いではなかったと思います。ノーランの策はオプションオフェンスに対する完全な解答ではないですし、もう次からは使えない手ではありますが、この1試合に勝利するための最低限のノルマはクリアした答えだったと言えます。さて、次はどんな解答を持ってきてくれるでしょうか。


マイケル・”バーナー”・ターナー
 この渾名を再び冠せられる日が来ようとは。オフェンスのMVPはゴンザレスしかいませんけど、限りなく肉薄するほどの内容。絶好調なんて言葉じゃ表現できないレベル。ダメもとでキーマンにあげましたけど、まさか2010年以前の姿にまで逆戻りしてくれるとは流石に予想できませんでした。今シーズンのターナーのベースサラリーは5Mらしいですが、この1試合だけで4.5Mくらいの仕事をしたと言っていいです。裏を返せばシーズン中それくらい仕事しなかったということですが。
 でも本当に評価すべきはどん底ターナーを信じ続けたコーチ陣。シーズン中、彼に見切りを付けられないことが致命的な敗因になるのでは、なんて危惧してましたが、こうなると私とコエッターさんどちらの目が先を見通していたか比べるまでもないですね。ちなみに今回ばっさりカットの余波でコエッターさんについてはあんまり触れられませんけど、この試合はプレイコールの冴えも素晴らしかったです。
 しかしこの試合のターナーとリンチを見ますと、どうしてポストシーズンではレギュラーシーズンほとんど働いていない伏兵RBが活躍するケースが多いのかよくわかりますね。絶対的エースランナーがいないチームの方がスーパーに行きやすいという私の適当理論もあながち的外れではないかもしれません。


OL
 ほぼ完璧。クレモンズ不在はもちろん大きかったですけど、やっぱりポイントはインサイド。ここが安定すればこれくらいのパフォーマンスはできます。ただこの試合ではパスプロ以上にランブロッキングで良さが目立つという今シーズン非常に珍しい形で、特にコンちゃんはナイスブロックで何度も走路を開きました。やはりウィルソンとの対戦と言うことで期するものがあったのかもしれません。


第4Qの逆転劇(SEA側の)
 20点の貯金が見る見る消えていき、ついに歴史的大逆転を許すというファルコンズにとって悪夢の14分30秒間になったこの時間帯ですが、モメンタムとプレッシャーという見えない力を除けば要因はウィルソン(に対するディフェンス)とライアンの二人に凝縮されていたと思います。
 上記のようにリンチに焦点を絞っていたためウィルソンに対応し切れなかったとはいえ、それにしても終盤のウィルソンは本当に素晴らしかったです。ラッシュをかわす脚や開いたレシーバーに確実に通すパスももちろんですが、それ以上に逆境をものともしない胆力は驚嘆に値する内容でした。
 一方のライアンはこの試合2つ目となる理解不能な無理投げINTに象徴されるように、初のポストシーズン勝利を目前にしてSEAディフェンスとは別の見えない敵と戦っていました。今回の試合の後初めて知った英語表現に「サルが背中にいる」というものがありまして、これは過去から積み重なった非常に大きな問題を背負った状態のことらしいんですが、この時間帯のライアンほどこのサルの重さを感じていた人間は世界中探しても見つからないと思います。
 正直に告白すれば、この時のライアンの目を見て、過去一度も思わなかった「ライアンではポストシーズンに勝てないのかもしれない」という思いが胸に湧き上がりました。


そして運命の30秒間
 という風にほとんど絶望しかけてた2ミニッツでしたが、逆転時30秒以上残った時点で勝ちフラグに感じたこともまた事実。今年のファルコンズオフェンスなら2つもタイムアウトが残っていれば30秒で1点差を逆転するなんてわけないことはファルコンズファンなら誰でも知っていることですから。少なくともいつぞやのCAR戦のように敗戦記を書き始めるような気は全くおこりませんでした。

 奇跡の立役者はライアン、クイズ、ダグラス、ゴンザレスそしてブライアントの5人。

 クイズのリターンは一歩間違えれば何より貴重な数秒間を浪費することになる危険なプレイでしたが、結果的にここでタイムアウトを使わずに稼いだ7ヤードが本当に大きかったです。さらにクイズは続く2プレイで素晴らしいブロックも見せました。この試合の彼のハイライトは前半見せた45ヤードのビッグランですが、この3プレイも目立たないながら奇跡を起こすためには必須のプレイだったと言えます。
 ダグラスの22ヤードレシーブは「地味に重要」という彼のシーズン中の立ち位置そのまんまのプレイ。直後の大興奮のせいで忘れられがちですけど、ロディやフリオが囮になっているとはいえあんだけサイドライン際や長いパスが警戒される中、フリーになって超重要なキャッチを決めたのは見事。欲を言えば外に出れれば完璧でしたが。
 そしてライアン最後のパスはディフェンスの網目を縫ってゴンザレスの胸のど真ん中へ収まるこの日最高の一投。レシーブ後大きな大きな4ヤードを稼いだゴンザレスの動きは、なぜ彼が史上最高のTEと言われているか、16年間の偉大なキャリアが凝縮されたもの。実質的にはこのパスを持ってゴンザレスとライアンは背中のサルを下ろすことができたと思います。なおこのプレイについてのゴンザレスのコメントはこちら。下手クソな訳で雰囲気を壊したくないので原文で

“That’s probably the best catch I’ve ever had even though it was probably one of the easiest too because he put it right in my chest," Gonzalez said. "It’s the most important catch I’ve ever had in my life and I’ll never forget it. It was wonderful.

 その後のブライアントの逆転FGについては略。この男があのシチュエーションで49ヤードを外すわけがない。多分2010年以降のブライアントのクラッチぶりは全盛期のヴィナティエリ神に肩を並べられると思います。


駄目ボッシャー
 この日はキックオフの飛距離が素晴らしくレオン・ワシントンという飛び道具を封じるのに大きく貢献してくれましたが肝心のパントで2シャンク。そして最後にはスクイーブキックを蹴り損なうというオチまで付けてくれ、あやうく歴史的再々逆転なんて笑えない喜劇の立役者になるところでした。マジで次はたのみますよ。
 (ちなみに議論を呼んだ最後のキックオフですが、スミッティが詳細を語らないので真相は謎ですが、一発TD警戒と確実に数秒間削れるスクイーブという選択はいうほど悪くないと思います。億が一オンサイドキックだったらちょっと言葉がないですけど。)


フリオ
 2年間のキャリアで最重要のレシーブが相手QBの手から放たれたものというのはなんとも皮肉。しかし本当にキャッチングがうまくなりました。


シャーマンまじやべえ
 ファルコンズWR vs シーホークスDBという注目のマッチアップでしたが、ファルコンズはアール・トーマス+ブランドン・ブラウナー>リチャード・シャーマンと判断したらしく執拗なまでに(オフェンスから見て)右サイドのシャーマン狙い。ターゲットはロディが一番多かったですかね。
 で、結果は、負けたとは言わないまでも五分五分よりやや分が悪いくらい。シャーマンのプレイをじっくり見たのは初めてだったんですが、あそこまでハイレベルとは思いませんでした。決してサイズ頼りでないところが素晴らしいですね。特にファーストドライブでロディ得意のやる気なさげなセットからの急加速のムーブに完璧に対応しTDパスを叩き落としたのには驚愕。その後のロングボムTDなどでロディも面目を保ちましたがフリオともども今後なかなかいいライバル関係が築けそうです。


ブライアン・ビリック
 基本的に好きな解説者の一人なんであんまり言いたくないですけど、この日の耄碌ぶりはひどかったです。ダウン数は把握してないわ、点差は勘違いするわ、選手は間違えまくるわ。あんまり言いたくないですけどもしコエッターさんじゃなくてビリックがOCになっていたらと思うとゾッとします。あんまり言いたくないですけど。


アーサー・ブランクオーナー
 ファルコンズカラーでコーディネイトしてくるあたりが最高にクール。他チームのことはよく知りませんが選手たちからこんなに慕われているオーナーはあんまりいないんじゃないでしょうか。いいオーナーだと思います、ホント。あとやっぱり祖父に似てます。


トニー・ゴンザレス
 神。
 本当はここの項目だけで記事一つ使いたいくらい語りたいんですが自重します。とにかく本当におめでとうございました。


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この記事へのコメント:

redgun : 2013/01/18 (金) 09:42:56

あれ?プレーオフ1勝ってこんなに大変だったけと呆然と震えながらリンチのTDを見送りました(中にはあそこでTV切ったという最もアメリカ気質な大馬鹿なATLファンもいました)。今後人生でテンション上げたいときはあのラスト2ミニッツみればOKという教本が生まれました。
キック自分も調べたんですがやっぱアームストロングもスミティも明言してないですよね。ボシャーはヒューマンエラーだってコメントしてましたけど(多分2発のパントに関してのコメントでしょうが)。49ers戦でまたシャンクしちゃうともう精神やられちゃうんじゃないかとちょっと心配です。ただボシャーってゴロバウンドキック多分ヘタクソじゃないですか?まともに弾んだのみたことないです。
Dはみんなに緩いよATLこんなんじゃやられるって文句言われ放題でしたが多分アグレッシブに仕掛けたら40点いかれたと思ってます。ライブで理論的に皆の衆を説き伏せられなかったのが残念ですww キャパニックもコンテインにかけて見た目にはなにもしかけないBVDノーランで20点台に持ち込むのがよさそうな自論です。網はしっかり張って、QBが無理してひっかかればターンノーバー祭り開催、ウィルソンのように冷静に判断されるとスパスパドライブされるけど4TDで28点程度。どこかを3点にとめれば24点これがシナリオです。なんかほんとにこんなDがみたいのかチャンピオンシップで消極的になってきましたよー、やっぱり本音はナイナーズよ俺がノーランだくらい叩きつけてもらいたいすね。

wild-child : 2013/01/18 (金) 20:11:35

リンチのランを防げたのと、
周りのブロックも手伝ってターナーのランが出たことで、
試合を有利に進められました。
最後のキックは、やはりスクイーブキックでミスったんでしょうかね。
敢えてネタ扱いにしましょうか(笑)

> redgun さん
こんばんは!
自分はFBもツイもしてないですが、
redgunさんトコ定期的に拝見してます!

ほとら : 2013/01/19 (土) 08:33:40

>redgunさん
 30秒とタイムアウト2つ”も”残っているのにTVを切ってしまったというその方は失礼ながらファルコンズ観戦初心者ですね(笑)。とはいえ本当に苦しい試合で、あれを見た後なら少々身の回りで辛いことがあっても諦めず頑張ろうという気になれますよね。
 展望編で触れるつもりですがSFのオフェンスに対するファルコンズの数少ないアドバンテージはオプションオフェンスに対するこれまでの経験じゃないかと思っています。それがどういう形で具現化するかまでは予想できませんが。

>wild-childさん
 やはり序盤有利に進められたからこそ最後に勝負形に持ち込めたという面もありますよね。現体制のファルコンズは基本的に先行逃げ切り型なのに大逆転体質もあるという不思議なチームですが、ある意味一番ファルコンズらしい試合だったんじゃないかと思います。


 そしてボッシャーは全然嬉しくない形でファンの注目集まっちゃいましたね(苦笑)。まあ本職のミスは言い訳できませんけど、スクイーブやオンサイドなんかを練習する時間は限られているでしょうからあんまり責めるのは酷かなと思います。彼がキックオフも兼任してくれているおかげでブライアントがひたすらFG職人に徹してられるという恩恵もありますから。次戦はきっとナイスパントをしてくれるはずですよ、多分。

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