ドラフト3日目

 今年は2年ぶりにハイテクチャットに参加。最後まで完走予定でしたが6巡途中で力尽きました。序盤のピックで盛り上がりすぎたのと6巡が消えたのが敗因。



 3日目の最初の2人のピックが面白すぎたので、明らかに文章量の配分がおかしいです。


4-107 WR ジャスティン・ハーディ (イーストカロライナ大) 5-10 192lbs

 個人的にビーズリーと同じくらい興奮したピック。AACという非強豪カンファレンス校出身ながらキャリアレシーブ数(387rec)でNCAAのオールタイムレコードを塗り替える偉業を達成し注目を集めたスモールスクールの星。ちなみにイーストカロライナ大(以下ECU)は過去にクリス・ジョンソンを輩出、ファルコンズ関係ではロド・コールマンもここの卒業生。また同地区のセントラルフロリダ大などの近年の躍進などを見るとマイナーカンファレンスや無名校扱いというのは当てはまらないかもしれないですが、つい数ヶ月前まで私はこの学校を知らなかったのでマイナー校です(無知なだけ)。
 で、私がこの学校とハーディを知るきっかけとなったのが年始にあったボウルゲーム。この試合ECUの対戦相手がフロリダ大で、ファルコンズ注目の選手だったダンテ・ファウラーのチェックのために視聴したのですが、SEC強豪校と名前を聞いたこともないような学校の試合ということで試合自体には期待してませんでした。しかしいざ試合が始まるとECUはゲイターズ相手に攻守でナイスプレイを連発。一歩も引かない試合内容で思わず当初の目的を忘れて見入ってしまいました。最終的にはファウラーの大活躍などもあって力負けしてしまいましたがその健闘ぶりは非常に印象的でした。
 そしてその中でも、どれだけ警戒されていてもあっさりとセパレートして簡単にレシーブを決めてしまうジャスティン・ハーディという小柄なWRの存在感はまさに別格。サイズがなく、かといってブランディン・クックスのような異次元の速さもない、なのに止められないハーディの凄さは何が凄いのか分からないところにある気がします。結局ハーディがこの試合で残した数字は11キャッチ160ヤード1TD。試合観戦後に慌てて彼のことを調べ始め、やはり強豪のサウスカロライナ大を相手にも100ヤードゲームしていることなどを知り浮かんだ感情は「めっちゃ欲しい」でした。
 とはいえ今年のニーズの度合いから言えばWRに上位指名権は使いたくない。3巡くらいの評価が多いけどなんとか4巡まで残ってくれないかなあと思っていたのですが、まさかの4巡ドンピシャ指名。そりゃ一気に目も覚めます。極端な言い方をすればこのドラフトで私が1番欲しかった選手がビーズリーなら2番目はハーディと言ってもいいくらい気に入っていたので、この時点で私にとっては大勝利ドラフトとなりました。
 あ、一応選手として補足しておくと一言で言えばルートランがうまいシュアハンドな小型ポゼッションレシーバーですね。スピードはないですけど3コーンドリルはトップレベルの数字を出しており、非常に体の使い方が巧いロディに近いタイプのチェーンムーバー。セパレート能力が印象的ですが競り合いにも強く、来た球は全部捕ってやるという集中力もあり。見た目に反しランブロックもそれなり。スモールスクールの怪物って点もロディと似てますね。ただサイズ的にプロでは完全にスロット専用兵器。ダグラスが抜け空白になった3番手WRの席をヘスターらと争うことになりますが、ドラ4ながら開幕からスロットのスターターの座を得るチャンスは十分あるんじゃないかと思います。

 ハイライトもいいけどコンバインのポジションドリルの動画がお気に入り。小気味いいキャッチング音を聞いてるだけで楽しいです。



5-137 DT グレイディ・ジャレット (クレムゾン大) 6-1 304lbs

 もともと5巡の10番目(全体146位)の指名権をもっていたファルコンズでしたが4巡の補填ピック(これはトレード不可)が終了すると同時にMINの持つ5巡の頭にまでトレードアップ。代償は今年の6巡でした。そして指名されたのがジャレットだったのですが、正直に言えば第一印象はいまいちでした。ビーズリーの関係でクレムゾンの試合はいくつも見ており、彼がいい選手でバリューピックなのも知ってたのですが、少なくとも今シーズンにおけるニーズという意味ではDTはかなり下。それをわざわざアップしてまで獲るのはどうだろう、と思っていたのですが。。。その後彼についての情報が入るにつれ、なんともドラマチックですごい指名だったということが明らかになっていきました。

 もしかするともう既に知っている方も多いかもしれませんが、当初彼の指名について懐疑的だったことに対する自戒の意味も込めて、少し長くなりますがジャレットのストーリーについてできるだけ詳しく書いておこうと思います。(なお繰り返しますが指名された時点での彼についての私の知識はクレムゾンのそこそこいいDTということだけで、以下の情報は全てドラフト後に知ったものです)
 
 全体1位指名選手からドラフト漏れした選手まで、ドラフトの3日間というのはどんな選手にとっても人生において特別な時間になるでしょうけど、恐らく今年の全ドラフティの中で最も忘れられない3日間を過ごしたのはこのジャレットだったと思います。
 先に選手としてのジャレットについて触れておくと、小柄な体格ながら強烈なギャップシューターとしてビーズリーらとともにクレムゾンタイガースの最強ディフェンス(昨年のトータルディフェンスで全米トップ)の一員として活躍。サックなどの派手な数字に表れない部分で非常に高い評価をうけておりモックなどでは2~3巡の評価、またPFFは彼について特設記事で紹介した上でドラ1クラスの評価(リンク先のはいわゆる予想という意味でのモックではなく、データをもとに誰を指名すべきかという点にのみ焦点を当てた「べき論」モック、ここでジャレット23位のDETに指名されてます)を与えていました。ほぼ唯一といっていいはっきりした弱点はサイズ不足。実際5巡まで声がかからなかった理由はここに尽きるようです。
 次に彼のパーソナルライフについて。なんとファルコンズのレジェンドLBジェシー・タグルの実子。諸々の事情で一緒に暮らしてこそはいませんが、決して不仲というわけではなく、彼のフットボールライフを様々な形で支え続けていたそうです。またタグルの親友であるレイ・ルイスとも幼いときから交流があり、おじさんのような存在として慕っていたそうな。
 という実はファルコンズと非常に縁が深かったジャレットはアトランタのすぐ近くにある実家で母親や多くの親族友人たちとともに指名を待ちました。
 彼がまず注目していたのはやはりかつて父が所属し、ホームタウンのチームでもあるファルコンズの2巡指名。事前に個別ワークアウトで手ごたえを感じていたこともあり、かなり期待していたようですが42番目に名前を呼ばれたのはジャーレン・コリンズ。少なからず落ち込みながらも引き続きテレビに目を向け43番目の指名がピックインされたちょうどそのころ、どこからか異臭がするのに何人かが気づきました。
 ジャレットや母親が慌てて部屋を出て異臭の原因を探すと、ドラフトにあまり興味がない親戚の子供たちが遊んでいた2階の部屋が煙と炎に包まれているのを発見しました。小さな子供もいましたが、幸いすぐに部屋から脱出することに成功。しかし備え付けの消火器では全く歯が立たず、数十人の家族、仲間たちとともに屋外に避難。すぐに消防隊が駆けつけましたが鎮火するころには家は全焼に近い半焼、特にジャレットがこれまでに得たトロフィーやカレッジ時代の思い出の品を保存していた部屋は完全に燃え尽きてしまいました。
 ただそんな大騒ぎをしている間ももちろんドラフトは続いています。大混乱の中、ジャレットとエージェントは自分が指名されていないかチェックを続けましたがまさかの2日目指名漏れ。人生最良の日になる予定だった一日は彼にとって人生最悪の日になってしまいました。

 家を失ったためその晩からは近くに住む親戚の家に身を寄せ、ドラフト3日目を迎えます。3日目は昼間からのスタート。ショックから抜け出せずパニックになりかけていたジャレットですが、一方で流石に4巡ならばすぐに呼ばれるだろうとも思っていました。なにせ大半の専門家が2巡クラスの評価を下していたんですから。しかし107位のファルコンズはマイナー校のチビWRを指名。その後もいつまでたってもジャレットの名前は呼ばれないまま時が過ぎていきます。

 と、ここで少し話題をかえドラフト3日目についてのトリビア。注目度の低い3日目は多くのチームがファン感謝祭的な催しをおこなっており、現役選手やOBと交流したり、シーズンチケットホルダーなどから抽選で選ばれたファンが指名選手を読み上げることができたりするのですが、今年のファルコンズもそんな催しをおこなっていたチームの一つでした。そして今年指名を読み上げるファンのエスコート役をしていたのは誰あろうジェシー・タグルその人でした。もちろん息子の置かれている現状を把握していたタグルは笑顔でファンと交流しつつも、いつまでも指名されない息子のことを大いに気にしていたようです。
 
 そして、上述したようにトレード不可能な4巡の補填ピックの指名が終了するとファルコンズはすぐさまトレードアップを敢行。指名情報が読み上げ会場に伝わるとタグルがファンの女性をエスコート。しかしタグルにはまだ誰が指名されるかは知らされておらず。そして訪れる運命の瞬間。この時のタグルの、そしてジャレットの喜びはちょっと筆舌に尽くしがたいものがあると思います。
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 ということで紆余曲折のはてに父(の隣のファン)による読み上げでその父の古巣でもある意中の球団に指名されたジャレット。地元なので家を失った母と離れ離れになることもないという副産物もありました。そして互いに尊敬しあうチームメイトだったビーズリーともコンビ再結成。繰り返しになりますが、ここまでドラマチックなドラフトデイをすごした人間は彼くらいだと思います。また余談ですが指名後、彼の現状を知ったチームはブランクオーナーじきじきに家が再建するまで最大級の支援をすることを約束してます。
 ただ万々歳な結末だったとはいえジャレットにとっては5巡指名というのは決して納得のいくものではないでしょう。ぜひ彼をスルーしたチームが間違っていたことを一年目から証明して欲しいと思います。能力的には完全にバビノー2世でクインのスキームにもうまくあてはまるはず、今ドラフト最大のスティール指名と呼ばれるくらいの活躍を期待しています。
 うん、なんというか第一印象はどこへやらで今はビーズリー、ハーディに並ぶくらいのお気に入りピックになってます。ちょっとネタが濃すぎた。


 ふう、では残りの7巡二つはさっくりと

7-225 OT ジェイコブ・ロバーツ (イースタンワシントン大) 6-6 320lbs

 ようやく来たOL。カレッジ時代はRT。元TEということで機動力高めの選手。はっきりいってまだ何者でもない存在でロスターに残れるかどうかも微妙、しかし前もどこかで言いましたけどヴィック時代にゾーンブロッキングやってたころはマクルーアやらケヴィン・シェイファーやらこういう下位からのたたき上げばっかりでしたからね。カイルが気に入ったんならワンチャンあるかもです。


7-249 S/CB アキーム・キング (サンノゼ州立大) 6-3(※) 212lbs
 
 でかくて速いDB、ただそれだけのクインの趣味ピック。カレッジ時代はSですがクインはCBでの起用も考えてるとかなんとか。とりあえず目指すだけならタダだから目指せリチャード・シャーマンといっておきます。なおチームサイトでもNFLオフィシャルでも身長は6-3表記ですが実際には6-0か6-1程度らしいです。つまりその程度の情報すら正確に分かってない選手ということ。コンバインも非招待。


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