DEN戦 二題

 まさかここまで遅れるとは海のリハクにも読めまいて



 というわけでここまで無敗の前年度チャンピョンとの対戦は23-16で勝利。最終スコアこそ1TD差ですが、4Q終盤まで17点差をたもち、持ったままでの逃げ切りでほぼ完勝と言っていい内容でした。
 ってあっさり言っちゃったけど@マイルハイでこんな内容になるなんて誰が予想できたか。あまりにあっさり危なげなく勝ってしまって正直勝利直後はあんまり実感が湧かないほどでしたね、ええ。
 当然褒めたい選手も山ほどいるというかほぼ全員なんですが、キリがないので試合展開がどうとだとかガン無視してどうしても書きたいこと2つだけ。

・ニールと毛丸
 引退したムーアの後継者として今年のドラ1でSSニールを指名したわけですが、正直個人的にはかなり疑問符の付く指名でした。ドラ1はフロントセブンに行ってほしかったとか単純にニール自体にあまり魅力を感じなかったとか、いくつか理由はあるんですが、その中でも一番大きかったのは「毛丸でいいじゃん」というものでした。
 2013年にドラ7で指名され今年で4年目になる毛丸。ムーアがほぼ必ず途中離脱することもあって毎年代役出場してきたのですが、ムーアと遜色がないどころか安定感ならムーアより遥かに上、私には彼をスターターに据えて何か問題があるとは全く思えませんでした。しかしドラ1でSSニール指名ということは当然即先発のはず。それは必然的に毛丸がフィールドに立てないということを意味してました(クインのディフェンスはFSとSSではっきり役割が異なるため完全にSSタイプの二人の片方をFSに回すということも無理)。ディフェンス全体の底上げをしたい台所事情で先発と遜色のない能力の毛丸をベンチに置くというのはもったいなさすぎると思えてならなかったのです。
 当然毛丸自身もニール指名時点で自分の役割を理解したでしょうが、転機は思わぬ形でやってきました。プレシーズンでニールが膝を負傷、幸い大きな怪我ではなかったのですが、開幕から数週間は出場不能に。そんなわけで毛丸は開幕スターターに抜擢、そして見事な結果を残します。圧巻だったのはWeek2のOAK戦でチームダントツの15タックルを記録、サードダウンストップも何度も見せ今シーズン初勝利の影の立役者となりました。このパフォーマンスを見てしまってはクインも毛丸を単なるバックアップ扱いはできず。Week3からニールが復帰しましたが、主にパスシチュエーションではニール、ランシチュエーションでは毛丸と使い分けて起用(スナップカウントは全81スナップ中ニールが52で毛丸が30)。二人を同時に使えないのはもったいないとはいえ、毛丸ファンの私としても満足できる結果となりました。

 と、ここまでが前置き。そもそもこれ全部DEN戦関係ない話ですし。

 さてこのDEN戦を迎えるにあたり、毛丸にとってもニールにとっても、もっといえばファルコンズにとっても大きな転機その2が訪れました。それはLB陣をピンポイントに襲った怪我の嵐。
 もともとドラ4ながら先発に起用されたルーキーのキャンベルが開幕戦で痛んでいたのですが、同じくルーキースターターだったディオン・ジョーンズもWeek4で負傷、さらに今年古巣に帰ってきたスプーンがやはりWeek4にキャリア2度目のアキレス腱断裂をしてしまいIR行き、頑丈だけがとりえだった去年までのスターター ウォリロウもWeek2に故障し欠場中、と見事にデプスの上から順に4人がアウトという恐ろしい事態に。急遽求職中だったAJホークを取ったりもしましたがどう考えてもLBが足りません。
 そこで目をつけられたのが誰あろう毛丸その人でした。もともとクインディフェンスではSSは大半のスナップでボックスに入る半分LBみたいな役割でしたが、今週の毛丸は練習中からLBとしてのプラクティクスを行い、半分どころか9割LBというような形で起用、あろうことかシグナルコーラーの役割まで請け負うことに。
 そんな急造LBの毛丸でしたがこれが大ハマリ。ここぞという場面でナイスタックルを決めまくりファーストダウンを許さず。また4Qまでわずか3失点だったディフェンス全体の結果を見ればシグナルコーラーとしての大役も見事に果たしたと言っていいでしょう。
 そしてこの試合何より注目すべきことはニールと毛丸という二人のSSが同時にフィールドに立って結果を残したということ。ここまで毛丸の話ばかりしてきましたが、実は怪我から復帰したニールもここまで素晴らしいパフォーマンスを見せており、私の目の節穴っぷりを証明中でした。それだけに二人を同時に使えないのがどうしても歯がゆかったのですが、この試合の両者のスナップ数は全70のディフェンススナップ中ニールが70の毛丸が59、と実に8割以上のプレイで両者が共存していたわけです。そして似たようなタイプの二人が衝突するどころか相乗効果でディフェンス全体を押し上げる結果に。この「結果」については私が細かく言うよりPFFのこのページを見てもらえばいいと思います。
 これは大げさでなく今後のファルコンズディフェンスの一つの形が生まれる転換期になるかもしれません。もちろんルーキーLBたちが戻れば二人のための場所を作ってやる必要がありますが(ちなみに前回の記事でも触れたように二人とも将来性非常に高そう)、この試合で見せた毛丸ニール共存の道は絶対に今後も模索し続けていかないといけないと思います。
 いやそれにしてもディフェンスでこんなワクワクできる要素ができたのは何年ぶりでしょうか、しかもそれがルーキー3人絡みというのは絶頂もの。いや変な意味ではなくて。


・ビーズリー3.5サック 2FF 8タックル
 ご存知昨年の全体8位にしてファルコンズディフェンスの救世主になるはずだった男。しかしルーキーイヤーは4サックどまり、今年も1サック(それもスクランブルで逃げたQBをライン外へ追い出しただけの「認定サック」)で心無いファンからはボチボチ”B”の文字もあがりはじめていたビーズリーがついにやりやがりましたよコンチクショー。大外からのスピードラッシュだけで4回リンチを捕らえることに成功。チームとしては実に6サックを記録。夢じゃなかろうか。
 私も前回の記事で「相変わらずパスラッシュはうんこ」なんて言っちゃいましたが、実は兆しはありました。第3週までビーズリーは押しても回ってもなにやっても全く全然これっぽっちもQBに近づけないどん底状態だったのですが、第4週のCAR戦ではそれまでと比べ段違いに出足が良くなっていたんです。この試合サックこそ記録しませんでしたがポケットを縮めることに成功してました。そんな伏線があっての爆発、これは単にこの1試合だけたまたま奇跡が起きたわけじゃなくCAR戦を境に生まれ変わったのではないかと思いたいところです。
 ただし触れたくないけど触れておかなければならないのは相手の質。この試合ビーズリーはオフェンスから見て右サイドにセットしていたのですがDENは本来のスターティングRTを故障で欠いており、代わりに入っていたサンブレロも故障明け。なにより初先発のルーキーQBのリンチはまだまだ試合に出る準備ができてなかった状況、とビーズリーにとってもDL全体にとっても有利な条件が揃いすぎてました。果たしてビーズリーが本当にエリートパスラッシャーへの道を歩き始めたのか、DLはサックを増やし続けることができるのか、今後刮目して見ていきましょう。
  なおサック以外でもブリッツフェイクからカバーに回ってフィールドを守ったり、QBスパイでスクランブルを阻止したりとバーサタイルに八面六臂の活躍。特にこれは試合見返していて気づいたプレイなんですが、後半開始最初のプレイ、DENは見事にプレイアクションからサンダースへの20ヤードほどのパスを決め、さらにRACを試みるサンダースを後ろから猛ダッシュしてダウンさせたのがビーズリーでした。パスカバーに下がってたのかな、と巻き戻して見たら普通にラッシュしており、パスが投げられてから20ヤード以上もレシーバーを追いかけたわけで、こういう姿勢は好感度上がります。

余談
 ファルコンズ往年の名パスラッシャーで現在個人でパスラッシャー養成ジムを開いているチャック・スミス氏がNO戦を見て「この両チームの試合見てるとパスラッシュというものが200年は退化してるように感じるよ」なんて嘆いた上で、試合後にツイッター上で踏み込みの基本ができてないと動画解説つきでビーズリーにダメだし。そして第4週のCAR戦、上述したように当社比8割増しのロケットスタートを切るようになったビーズリー。果たしてこのツイートを見たのかどうかは本人のみが知るところですが私は「見た」と信じてます。せっかくアトランタ郊外でジム開いてるんだからDL全員入門しちゃってください。







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この記事へのコメント:

Liger : 2016/10/17 (月) 23:15:42

個人的にパスラッシャー養成ジムを運営するなんて、余程好き者というか、思い入れがあるんでしょうね。
ただ生業として入塾生や売り上げの増大狙うには、何処かのチームとコンサルタント契約とか結んで提携しないと無理っぽくないですか?

Liger : 2017/01/23 (月) 08:45:22

ご無沙汰致しております。
ほとらサンはじめATLファンの皆さん、
まずはNFC・Championおめでとうございます。我がNFC北地区の王者、GBもATLのハイパーオフェンスの前には膝を屈するしかありませんでしたね。
ジョージア・ドームのファンへの餞別に、ジョージ・ハラス・トロフィーを贈るだけでなく、NFCの代表として必ずヴィンス・ロンバルディ・トロフィーをもヒューストンの地から持ち帰って下さい! 祈・御武運!!

ほとら : 2017/01/23 (月) 21:53:26

 ご無沙汰しています、いや本当にありがとうございます。そして復活するといいながらブログを放置してしまったことを心からお詫びいたします。
 本当に昨シーズンのジェットコースターのようなシーズンからロディのカットなど様々な紆余曲折を経ましたが、まさかまさかの夢のようなシーズンになりました。
 ファルコンズの選手たち、コーチたちにはただただ感謝です。彼らがこんなにも頑張ってるのにサボり続けている自分が許せなくなったので、改めてブログを復活したいと思います。
 これからスーパーまでの間、私も全力でこのブログを通じて少しでもファルコンズについての情報を発信できればと思っております。

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